最近はセルフレジや、レジゴーのような店員を介さないようなレジも増えてきました。
私は以前、大手のスーパーで課長をしていましたが、その時の経験とその後務めた
中小のスーパーの青果チーフの経験を踏まえて正直に書いてみようと思います。
ちなみに内引きについても書いてますので、一読ください。
大手スーパーは全国展開しているスーパーです。
大手と中小では少し事情が違う面もあったりなかったり・・・
Contents
スーパーでの万引きはバレる?
結論からいいますと、絶対にバレルとは言い切れません。
スーパーはいくつもの商品を置いていますし、青果だけでも100は超えるアイテムのなかから一つ盗まれましたといって、高額商品でもなければ、お店の担当がきづくわけありません。逆に言えば高額商品は陳列数量も少ないので、割とすぐばれるということでもあります。
監視カメラでバレる?
監視カメラがいっぱいあったとしましょう。もしも、イオンのようなGMSみたいな店ならまだしも、地方スーパー1店舗に100カメラ以上あったらいくつかはダミーです。
つまり監視カメラは数台しかないけど、防犯カメラ(ダミーカメラ)はいっぱいあるというお店は結構多いと思います。
(どれがダミーかは責任者しか知りませんし、チーフ程度にはダミーの数も教えませんし、カメラをみる権限もあたえていないところが多いです)
それに、監視カメラがいっぱいあっても、それを見てるのは結局1人か多くても2人です。一人一人のお客さんの手元など見ていられません。
なので、コストを削っている削っていないの問題ではなく、置いてもしょうがないところには置きません。
しかも、基本的に映像のデータは上書き保存をされるので1週間ぐらいで古いのはどんどん消されていきます。
ドライブレコーダーみたいなもんですね。
実際に監視カメラがあるから万引きが減るって言うのはよく聞きますが、嘘です。
私も下っ端の頃はそれを信じていましたが、店の責任者になってからはじめて監視カメラにそんな万引きの抑止力はないという実態を知りました。
そして、万引き犯を店員が見つけたとしても、店を出るまで声はかけられませんし、仮に間違っていた場合の方がリスクが大きいので、声はかけずにその時に初めて監視カメラを確認します。それに、100円~1000円を盗まれただけで、捜索するのに、すごい労力を必要になるので、そこまで真剣にもならないっていうのが実情です。
それに、画質が良くなったといっても、
カメラの死角や、複数犯によるブラインド(カメラに対して壁役になる人)をされたら、お手上げです。
仮にカメラが捉えていたとしても、
挙動がおかしい程度では警察は動いてくれません。
それだけに、これは追い詰められる、捕まえられると思ったら絶対に逃しませんし、逃すつもりもありません。
万引きは捕まえる方はかなり労力をかけないと捕まえられないのが現状です。
AIカメラでバレる?
最近はAIカメラを導入する店も増えてきました。
万引きだけではなく、商品を探しているお客さんを感知して従業員のスマホに知らせてくれるという物です。
最近私もオブザーバーとしてそのカメラを導入するかどうかの試験運用に参加したのですが、結論として見送ることにしました。
とてもじゃないですが、万引き防止に使える品物ではないなというのが本音です。
不審な行動というか、往復運動と首の可動域の広さに反応してるだけじゃない?っていう印象でした。
特に大量万引きになると単独犯ではなく複数犯の傾向が多いため、AIで単独で引き付けて店員が近づいてきたらもう一人が盗みを働きやすくなるという逆手に取られるということもあるということで今回は導入を見送りました。
(というか結構導入費も高かったので・・・)
ただ、システムの進歩は凄まじいものがありますので、360℃カメラとAIと在庫の棚とPOSが連動するということがあれば、すべての万引きは防止されると思われます。
警備の仕事が先になくなりそうですが・・・
カメラを利用した悪質な手口
しかし、カメラの画質が進化しているのは間違いありません。下手を打てばバレますが、これを逆に利用する人も増えてきました。
カメラに映るように万引きをして、ターゲットとなる人を決めます。その後、ダミーカメラかカメラの死角で商品を適当な場所に放置します。
お店の外に出た後に、警備員から
「手荷物みせてもらえませんか?」
となれば、あらぬ疑いをかけられたとして、後は訴えると脅して、お金を合法的に取るという手法です。
最悪訴えてしまえば、ほぼ勝ち確定です。
なので、最近のお店では常習犯しか捕まえられないし、商品をもって店を出た人間しかターゲットにできないという状態です。
ただ、何度も書きましたが、万引きはしない方が絶対にいいです。簡単に書いていますが、カメラの死角なんて素人ではわかりませんし、どれがダミーかわからないので、運が悪ければ前科者になります。
どんな商品をスーパーで万引きしたらバレる?
万引きでもバレやすい商品とバレにくい商品があります。
一番バレやすい物は高額商品、または
1個2個しかならんでいないものはすぐバレます。
理由は簡単で、売場の在庫と売上があっていなければ、確認が入ります。
お酒のケースを盗む外国人の窃盗団が、
大手スーパー時代によく出没していました。
情けないことに、来るたびに盗まれていました。
高額商品やそんなに大量に売れる商品じゃないものは、盗まれたあとは気がつきます。
警戒してても盗まれてしまうのは、店舗が広いが故の大手スーパーの弱いところです。
逆に言えば、玉ねぎ1個盗まれたところで気がつくのはかなり難しいですし、
正直言えばカメラ使って追いかけるのも面倒なので、確認することはほぼありません。
とはいえ、発見したり、揺るがぬ証拠があれば、金額の大小にかかわらず、有無を言わさず警察に突き出しますので、万引きは絶対にやめましょう。
スーパーでの万引きは警察は動いてくれるか?
こればっかりは警察にもよるのですが、被害届を出したら動いてはくれますが、世間的に窃盗と言われるレベルにならないと本腰は入れてくれません。
玉ねぎ1個盗まれましたので、絶対逮捕してください!!といっても本腰入れて、動いてはくれませんね。
以前、ハンガーが盗まれた時も被害届だそうとしたら結構渋られましたからね。
と、なかなか警察官にもよりますが、認知してくれないケースもあります。
それでもこちらから被害届を書くと強く言うと書いてくれますが、すごい渋られて、なんかすごく面倒そうだったので、できれば辞めて欲しいというのが本音っぽいですね
ただ、常習犯は別です。これが、毎回玉ねぎ1個しか盗んでいなくても、常習犯は警察の面子という側面もあるので、本腰入れて捜査してくれます。
お店側も常習犯だけは店員ですらマークすることがあります。
最近はスーパーマーケットでもインカム(無線)を使ったやりとりをするのですが、常習はんだけはインカムで情報が入ります。
実際にお声がけすることはありませんが、警備担当の物が私服に着替えて徹底マークしたり、監視カメラで常にみはることもあります。
先ほどいった一週間で上書きされるといいましたが、部分的に抜き取ることは可能なので、そこだけ抜き取って何度も見返すこともあります。
万引きGメン
万引きといえば万引きメン。実際にいるのか?どこを見るのかを解説していきます。
万引きGメンはいる?
昔みたいに、それ専門の人を雇うということは今はほとんどないです。
実際に毎日捕まえるわけでもないですし。警備員が私服で巡回する程度です。
警備員と言っても大体は定年退職したオジサンとかオバサンなので、ベテランというわけではありません。
昨今人件費の削減も進めないといけないなかで、万引きGメンを専門に雇う企業はかなり少ないと思います。
万引きGメンはどこをみる?
観る箇所は挙動不審な客を探すということですが、その内容は
- エコバックの口が開いたまま買い物をしている人
- 立ち止まったかと思うとリュックやカバンを床に置人(商品を投げ入れるため)
- 商品をカートの手前に置く人(後で懐に入れやすくするため)
あと、客動線というものがあるのですが、大体フロアはみんな似た感じで歩きます。
ですが、明らかに商品を探しているというよりは普通に歩いているという客なのに、客動線に沿わない歩き方をしているとマーク対象になることもあります。
店で万引き犯を捕まえた後に、店の判断で警察に言うかどうかは決める
お店の判断で今回は警察には言わないって言うことはゼロではないです。
一言で言えば、店長のさじ加減ですね。
小売最大手のスーパーの時は見逃すってほとんどなく、片っ端から警察を読んで被害届を出していました。
そういう決まりということもありましたが、上にバレたらあとから処分を受けるのは自分たち管理職以上なので、わが身の可愛さにひたすら突き出していました。
ちなみに、万引きではないですが、店の花壇を壊した不良中学生に対しても器物破損で前科者にするといったこともしていました。客じゃないとわかった時点で容赦は基本的にしませんでした。
その時はその子のお爺さんが土下座をして謝りにきましたが、当時の店長は血も涙もない人で普段の憂さ晴らしをするかのように、お爺さんに罵声を浴びせて、結果子供を前科者にするというなんとも後味が悪い感じになりました。
話を万引きにもどしますが、温情はかける時もありますが、盗みを働いてるので基本的には許して貰えないと思っていてください。
後日逮捕は難しい
常習犯でもない限り、私の知る限り後日逮捕はあまりありません。
例え、高額商品とかでも1度盗まれたら、ほぼおしまいです。後日捜査は警察が暇だったらしてくれるのでしょうか?ってぐらい捕まった試しはありません。
例えば、ドライブレコーダーに一方通行を無視した車を発見したとしても警察は現行犯逮捕でもない限り捜査をしてくれないようなものです。
普通に考えて食品を盗んだ後は、売るか食べるかすると思うので、映像以外の証拠なんて残りませんからね。
いちど、明らかに映像が残っているのに日付が経ってしまって捕まえるのは無理ですね言われたこともあります。証拠不十分だったそうです。
映像がくっきり残っていない限り捕まえられる方が珍しいかと思いますし、玉子を1パック盗んだ犯人追うよりも、もっと凶悪な犯人捕まえてくれる方がいいですからね。
ただ、常習犯になるとほぼ確実に捕まえてきます。
万引きの常習犯の人は他の店の監視カメラにも写っているので、見つけやすいとかどうとか言ってました。
もし、一回してしまったというならもう二度としない方がいいでしょうね。
ちなみに万引きの検挙率は70%と言われています。これが高いのか引くのかでいうと
車上荒らしや置き引き等と比べるとだいぶ高いですですが、ポイントは認知にあります。
検挙率の求め方は
検挙件数÷認知件数=検挙率
少額だと被害届を出さないし、こっちが見つけられなければ認知もしていない状態です。
なので、認知数がまったく本来の数字と合ってはいないんじゃないかと、個人的には思っています。
店員側からみて万引き犯はわかる?
正直に言います。
分かりません。
よっぽど挙動不審じゃない限り分かりません。
Gメンの人の話を聞いて私も注意深くみたことはあるのですが、まったくわかりませんでした。というか、そこまで暇じゃないというのもありますが・・・
たまに長く務めている人で
「こっちからみたらわかる」
みたいな事を言う人がいますが、そりゃ下手くそな人ならわかりますけど、基本的にはわかりません。
ガム2個とって1個をカバンの中に上手いこと放り投げる感じで盗まれたら、そんなの見つけろって言う方が無理ゲーです🎮
仮にみつけたとしても、チーフの立場からすると別に見て見ぬふりをします。
理由は厄介事はごめんだからです。
ただし、課長店長になると部下からそういう報告あれば動かないといけないので、面倒くさいんです(汗
それに、もし間違っていたら、ごめんなさいじゃすみませんから、声をかける時はこっちもかなり自信がある時だけです。
中間管理職になると自分自身の進退も絡んでくるので、万引き犯を探す、捕まえる、声をかけるはリスクがかなり高い行為でもあります。
万引きは捕まえるから防止に切り替わりつつある
万引きはカメラが進化しても捕まえるのは難しく、確実性のある時しか捕まえられません。
なので、万引きは捕まえるから防止させるということが非常に重要であるという認識が最近の主流です。
そして、その方法はたった一つしかありません。
万引き防止策は【あいさつ】以上に効果があるものはない
そもそも、監視カメラは追跡には便利なのですが、実際に万引きの抑止にはならないってご存じですか?
100台ついていようが、1000台ついていようがそれが抑止にはつながりません。
私が小売最大手の課長で、万引き犯の学生と少し会話したことがあるのですが、その時の内容は
盗んだものが牛乳石鹸で、どうしてこれを盗んだのか訊いたら、本当はヘアワックスが欲しかったとのことだったのですが、その時たまたま従業員が発注作業を行っていて近くにいて、
「いらっしゃいませ」
と声をかけられたから盗む対象の商品を変更したとのこと。
ほかにも色々と犯人が盗んだものを訊くと、欲しいものを一直線に盗む人は思ったよりいなくて、大体の人はいけそうなところを狙って盗むという感じでした。
その時の共通点は周りに店員がいなかったや、すれ違った時に声をかけられなかったからいけると思ったという内容でした。
自分という存在を認識されるとやりづらいみたいです。
ちなみに特に警備員が巡回しているとかなり警戒するみたいです。
いらっしゃいませ以上は言えないルールの店もある
店内ルールで万引き犯人をみつけても、決してお声がけしないというルールがある会社も存在します。
理由は冒頭のほうにも書きました、えん罪を逆手にとって、会社を訴えて金銭を要求するという手口も少なからずあるからです。
確実に捕まえられる状態でないと動いては危険なため、店員側もあとでカメラで見る等の決定的な証拠をつかんでから動くというケースも増えてきましたが、冒頭に述べたように、カメラの死角であったり、連携プレーをされると発見しづらいのが現実です。
たとえ、お客さんから密告があったとしても、その場で店員ができることは何もなく、カメラで後を追うだけになります。
ただし、確固たる証拠がある場合、逮捕までは時間がかからないと思うので、くれぐれも万引きはやめましょう。カメラの視覚だと思ったところがカメラにドンピシャで映っている場合もあります。
マイバックによって増えた新しい万引き手法
以前に、ニュースにもなったのですが、マイバックを持参する人が増えている中、マイバックに直接商品をいれて大胆に万引きするという手法です。
これに関しては、お店のほうで買い物袋は精算の後でとお願いをするだけで、
だいぶ防げるのですが、それでも故意にやられたら防ぐのが難しい万引きの手法です。
監視カメラで追いかけることもできるのですが、一人追いかけるだけでかなりの時間を費やします。
向こうもそれが分かっているのか、店の滞在時間が非常に長く、魚をお菓子の棚に戻したりとこちらをひっかける所作もとるといった、こっちの万引き防止を逆手にとろうとする行為も行ったりします。
レジゴー【セルフレジ】による万引き
レジゴーはご存じでしょうか?スマホを使って買い物時にJANコード(バーコード)を読み取りスキャンして買い物を進めていき、最後はお会計だけで済むため、買い物におけるレジの時間がコンビニよりも短縮できるといった、まさにレジのおばちゃんの仕事をAIが奪ったといったシステムをもったセルフレジです。
ただ、このレジゴーはお察しのとおり、スキャンせずにカゴに入れてしまえば、店員が確認しない限り万引きし放題なんじゃないか?と思うようなシステムでもあります。
私の店ではレジゴーは導入されていないので、実際にどういう防犯対策をとっているのかはわかりまんが、レジゴーで分かっている性能は
- お酒を買った時にアラームが鳴る
- ゲート通過時にカメラは設置されている
の二点です。
他にも機能はまだあるかもしれませんが、ゲート通過時のカメラは買い上げ点数とカゴの中身が一致しているかどうかの確認のためと思われます。
イオンではAIカメラで接客の必要なお客さんを探すといった機能をもったカメラを一部店舗で導入しているため、そのAIと監視カメラと組み合わせるなどといった手法を今後取るのかもしれません。ただ、AIの精度が現時点でお粗末な物のため精度以上に使い方が課題になってきそうです。
しかし、これも防ぎきれないもので、例えば、比較的高い商品のお肉とかをスキャンするふりして実は読み取らせず、もやしや駄菓子はキチンとスキャンをするというカゴの中をパンパンにしてチェックしにくくするといった方法を取る人も増えてきました。
もしも、後で指摘されても、一つ二つならスキャンができていなかった、忘れていた等といくらでも言い訳が可能です。
もちろん、何度も行えば出入り禁止になったり、警察の事情聴取などもあるかもしれませんので、絶対にそのような犯罪行為はしないでください。
スーパーで万引きしたらバレるのか まとめ
結論は最初の通り、バレにくいです。
ただ、バレたときのリスクを考えると得られるリターンは少ないですし、
100%バレないというわけではありません。
後日逮捕も少ないですが、ないわけではありません。
レジゴーやマイバックの万引きも手口が進化していくと同時に、対策も進化していきます。
ですので、絶対に万引きはしないということが一番です。