万引きという言葉はよく聞きますが、
内引きってご存じでしょうか?
内引きとは簡単にいうと内部の者による万引きです。
実は万引きよりもたちが悪いのがこの内引きです。
なぜなら、ほぼバレることがないという問題を抱えているからです。
スーパーに限らず小売業界では根深い問題でもあるよ
内引きは万引き以上にバレづらいし問題にしない事が多いです。
万引きには監視カメラといった確実な証拠があったり、防犯カメラや店員の目といった抑止力が働くのでまだ防いだり、予防できたりするのですが、この内引きに関しては身内の犯行になるので、色々な面で防いだり抑止が難しい状態にあります。これは後々解説していきます。
また、発覚しても身内の犯行なので、内々に処理する店が多いのが現状です
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スーパーの内引きがバレづらい理由
あたりまえですが、バックヤード(作業場)にはほとんど監視カメラはついていません。
エレベーターや荷受け場にはついている事も多いですが、経費の無駄なので、バックヤードにはついていない店が多いと思います。
なので、バックヤードで犯行に及ばれると、証拠がつかめない状態になります。
ちなみに売場で犯行に及ばれても店員が商品をもってバックヤードに下がるなんて日常茶飯事の出来事ですから、証拠にならないという問題もあります。
人手不足でワンオペだと管理者がいないから犯行に及びやすい。
管理する者がいないと無法地帯になりがちです。
何を盗んだらバレやすくて何を盗んだらバレないかという実情を知っているというのも一つの理由です。
では、実際にあった例を踏まえてご紹介します。
実例:スーパーの内引きは証拠がつかみにくい
ここからは実例でご紹介していきたいと思います。
内引き対策の店内ルールはあるようで機能していない
前の会社で私が課長をしていた時にデイリーのマネージャーがよくバックルームでパンを食べながら仕事をしていました。
激務すぎて全員休憩取れていないのが当たり前だったので、パンを食べること自体は店長含め黙認していたのですが、ある日デイリー部下の子が私に密告してきたことから発覚しました。
【廃棄予定の菓子パンをそのままお金を払わずに食べている】
それを聞いて次に食べ始めた時に聞いてみようと思い、デイリーマネージャーがパンを食べ始めその時に、そのパンはお金払ったのかと話かけたのですが、
と言われてしまい、その日以降デイリーマネージャーがパンを食べなくなったことから、私としても証拠がない以上これ以上追求することはできずに、以後誤解を招くようなことはしないように、というよく分からない注意をしその場は終わりました。
バックルームカメラがない以上、しらばっくれられるとお手上げになるのが実情です。
ちなみにお店には持ち込んだものには警備チェックを通してタグを書いてそれをつけるというルールは存在していたのですが、
ルールだけがあるという状態で、機能はしていませんでした。
レジ引きというレジの人間による内引き
最近はレジの精算がお金入れるだけで自動でお釣りを出てそれを貰うことが多いと思うのですが(もしくは金銭だけ自分でやるセミセルフレジ)
背景にあるのが、ただの効率化だけではなく、レジ店員による釣り銭の着服防止になるとも言われています。
前の会社でもレジが自動化するまえに、よくあった手口として精算するフリして預かったお金をレジのいれずにポッケの入れるといった手口が後をたちませんでした。
しかし、今はセミセルフや自動精算、電子マネーといった精算のやり取りで、レジ店員がお金に触れられないようにするといった手段が増え、設備を整えているスーパーは、かなり犯行は無くなったと言われています。
実際問題として、通常の万引きよりも悪質(商品もお金も取られるため)なので、かなり改善されたとも言えます。
ただ、これも二人がかりになると手がつけられません。
有名なのがレジ引きと言われる手口です。
たとえば、レジ打ちの人間と客がもともとグルだった場合はレジを打っている振りをして実は売っていないとかというパターンです。
実際にあったのがお酒の6缶パックのJANコードを通さずに、一個のJANコードを通して精算を済ますというパターンです。もし、これ一点だけの買い物であれば、近くにいる誰かが気づくかもしれませんが、おつまみを大量に買っていた場合や、金額が2000円超える買い物をしていたりすると、上手い事レジ抜けされるとわかりません。
最近はPOSデータで在庫と連動しているからわかるという声もききますが、マイナーな商品ならまだしもスーパードライやプレミアムモルツや麒麟みたいな商品だと一日にいくつも売れますし、在庫と売数を照合なんて不可能ですし、お盆や年末にやられたらそれをチェックしている時間もありません。
実際のところレジの人間に裏切られたらおしまいと言えます。
ちなみに、このレジ引きは客役の犯人が偶然レシートを落としてそれを拾ったレジマネージャーが偶然みたことから発覚しました。
最初はただのレジ打ち間違いかと思ったらしいのですが、いつも同じ客が同じ人のレジに並んでいたということも気になっていたとのことで、監視カメラを確認してみたら、毎回同じ手口をしていたということで、わかったそうです。
管理する者がいないから犯行に及びやすい
これも以前の会社ですが、デリカグループで夜のバイトが畜産グループ兼任して作業をしない行けないほど、アルバイトが極端に減っていた時期がありました。
その時に、デリカのお惣菜が時間ごと値引きをしないといけないのですが、値引きをせずにそれを裏にこっそり持って入り、畜産の作業場清掃途中に食べると行った行為におよんでいました。
社員も、一人しかいないと監視の目が行き届かずやりたい放題になってしまいます。
アルバイトが多すぎても、今度は結託されたり、多すぎて監視できないなどあるのですが、ワンオペになっていると社員であろうが、アルバイトであろうが、好き勝手にできるため、人件費がかかるとしても相互監視ができる体制をつけるようにしないと、後々取り返しがつかないようになってしまいます。
昨今、SNSで店員が行き過ぎた動画をとりそれをアップロードするなどありますが、動画をSNSに投稿すること自体はめずらしいことですが、管理者が不在という環境下ではバイトのテロ行為が行われていること自体はさほど珍しい話ではありません。
【2月12日追記】
イオンリテールの中四国のお店で、内部に共犯者いることで起きた脱税行為が発生しました。
いわゆる内部に共犯者がいた内引きということになります。対策はいくつか方法があったのでしょうが、現場ではそれを一つずつ毎日チェックするといったことはかなりハードルの高い作業ともいえます。
従業員なので、内情を知り尽くしているから手口が巧妙
私が、まだ前の会社で担当時代(平社員)だったころ、水産のアルバイトのベテランのおじちゃんがよく刺身の廃棄を持って帰っていました。当時は警備員の目視による持ち物検査を毎日店から出る時に限って行っていたので、持ち帰ることは不可能だと思われていましたが、チェックするのは持ち物だけで、身に着けているものはチェックされませんでした。
つまり、コートの中やジャケットの中に隠されてしまうとボディチェックはしていないため、すり抜けが可能ということになります。
ただ、保険もかけており、値引きのシール(半額)も一応貼っており、その上にお買い上げテープをレジから盗んで貼っておけば、仮にバレてもお咎めなしという手の込んだことまでしていました。
あとあと、訊いたら
という言い訳まで用意していたそうです。
発覚したのは、ある日レジが全台サーバーエラーで閉店が2時間早まったのですが、その時に貼れるはずのなかった半額シールをを貼っていた明太子を警備の前で落としたことからバレました。
たまたま不運が重なってバレましたが、盗んだ商品を落とすという落ち度がなければまったくわからなかったと思います。
内引きがバレる理由
実例からすでにお分かりかと思いますが、内引きがバレる理由とは大きく二つです。
棚卸でバレる
失敗してバレル
監視カメラでバレル
の三点です。
棚卸でバレる
部門の規模が小さかったり、高額商品を内引きするとバレやすくなります。
ただ、私の周りでこれで発覚したパターンは一回だけです。
棚卸でロスが発生しても、管理体制がよくなかったかなと思うぐらいで、内引きされたとは思わないからです。
失敗してバレる
バレるときはほぼこれです
何かしら不運が重なったり、偶然誰がに発見されたりというパターンです。
たまたま、誰かに身体検査された、たまたま盗んだものを落とした。
たまたま、盗んだところを見られた。
ほぼバレルのはこのパターンです。
監視カメラでバレる
レジ引きなんかはこれで分かることが多いですが、これも難しくてカメラで営業時間中にすべて追っているわけでないし、角度によっては視覚が発生する以上みつけるのは困難です。
というか売場からバックヤードに持って入っても従業員ならそんなに不思議じゃないので、高額商品でもない限りバレづらいですが、発覚することも稀にあります。
内引きで警察は動くのか?
被害届を出せば警察は動いてくれます。
というか万引きの時以上に動いてくれます。理由は内引きは突き出すときには
証拠がすでにある状態だからです。
ですが、お店側の対応としては、バレても身内の犯行ということもあり、一緒に働いていた仲間をいう意識もあるせいか、今回だけは見逃すっていうパターンが多いのも事実です。
やっていることは窃盗ですので、本来なら警察に突き出すべきなのでしょうが、悪くてもクビという形で店の外にだして出入り禁止にしておしまいっていうパターンばかりみてきました。
警察に突き出されるパターンもある
とはいえ、いくら身内でも、犯罪性が強い、出来心じゃなく、計画的に行ったケースなら容赦なく被害届を出して、警察に突き出していました。
一度あったのが、家電や住居雑貨を売っているマネージャーがめちゃくちゃ安く値段をつけて、自分で買い、それをメルカリで売るという、なんとも効率のいいセドリをしていたのですが、さすがにこれは悪質ということでクビ&訴訟になりました。
ちなみになんでバレたかというと、そのマネージャーのグループだけ著しく棚卸でロスが発生したことが原因でした。
もしも、スーパーの数字に強いタイプのマネージャーなら上手い事誤魔化せていたのかもしれませんが、メルカリで捌いている時点でお察しということでしょうか。
ほかにも、真面目そうな子がやれば、【今回だけは・・・】になるのですが、勤務態度が悪い、
髪の色が派手、敬語を使えないといった、ほころびのあるタイプの人がすると一瞬でクビ&訴訟にするケースもみてきました。こればっかりは店長の好き嫌いが出てますね。
まとめ
万引きもバレにくいですが、内引きはもっとバレにくい。
ただ、ベテランの店長や店員や警備員がいるとバレル可能性は非常に高いです。
何故なら、色々な手口を知っているからです。
状況が状況ならクビ&訴訟です。
普通の万引きも前科が付きますが、クビになれば仕事もなくなり、前科者になるので、再就職も難しくなるかもしれません。
仕事も、信頼も、未来も一気に失う可能性がある以上、内引きはにメリットとデメリットを天秤にかけるとあきらかにデメリットの方が大きすぎます。
1000円、2000円盗んで人生が終わりになってしまわないように、みなさんも万引きや内引きは絶対にしないようにしてください。