売上を上げることは大事なんだけど、荒利があって初めて利益という構造がスタートするからね。
荒利益(粗利益)とはそもそも何か、意味を調べるとこうなります。
荒利益(粗利益):販売価格から仕入原価を引いた金額の事を指します。
800円で仕入れた商品を1000円で販売すると荒利益(粗利益)は200円ということです。
これが利益の始まりとなります。
意味は同じだね。私の知る限りでは少なくとも小売業は【荒利】という言葉を使うけど、転職先の今のところでは粗利っていう表記をするんだよね。繰り返すけど、意味は同じだよ。
他の言い方でいうなら売上総利益といういい方もします。
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荒利益の計算方法
先ほども説明しましたが、販売価格=お店で売っている価格 から 仕入れ値 を引いたものが荒利益です。もう一度計算してみましょう。
計算式だとこうなります。
荒利益=売上ー原価
例えば、800円で仕入れたリンゴ🍎を1000円で販売できたとします。
そうすると儲けは200円。
これを式に直すと
1000円(売価or販売価格)ー800円(原価or仕入れ価格)=200円(荒利)
となります。
全部800円で仕入れて、全部1000円で売ってるわけじゃないんだけど、その場合どうしたらいいの?
先ほどの800円のリンゴに500円の梨、200円のトマトを仕入れてみましょう。
この時の原価の合計は
800円(リンゴ)+500円(梨)+200円(トマト)なので合計で1500円ということになります。
原価の合計が1500円ということだね?
リンゴは1000円、梨は700円、トマトは300円で売価を決定したら
1000円(リンゴの売価)+700円(梨の売価)+300円(トマトの売価)
すべて足すと2000円(すべての売価)となります。
もしこれがこの価格で綺麗に売れたら、
2000円(すべての売価)ー1500円(すべての原価)=500円となります。

でも、一つききたいことあるんだけどいい?
荒利益率の計算方法
荒利益率とは売上に対してどのくらい荒利高(粗利高)が占めているかを表すものです。
もし、売上が100円で、そのうち利益が50円なら半分を占めているということになりますので、50%ということになります。
これを式に直すと
[50(荒利)÷100(売上)]×100=50%
他のパターンでも計算してみましょう。
30円の荒利益があったとして、80円の売上があったとしたら
[30(荒利益)÷80円(売上)]×100=37.5%
となります。
公式を使うとこんな感じです。
荒利益率(%)=(荒利益÷売上高)×100
もちろんすべて20%で構成するわけではなく、利益の高い商品低い商品をミックスさせて計画を行っていきます。
スーパーの荒利率目安
大体ですが、25%~27%と言われています。
ただ、これは不動産等の別の事業媒体を含まない数字です。
外食の50%越えとくらべるとだいぶ薄利多売に思えますが、ディスカウントストアなら
20%前後で推移しますし、高級スーパーなら28%ぐらいだと思います。
30%を超えるところは沖縄に存在するとは聞いたことがありますが、30%超えていたらだいぶ経営体制も筋肉質かなと思います。
ところで一般的なスーパーの話になりますが、利益率が一番高いところは
どこだと思いますか?
デリカの荒利益は40%を超えるものが多く、夏場によく売場でみかける
枝豆は流水解凍をしただけの商品が70%近く荒利が入っています。
それ言う人って大体普段家の事をあまりしない人だから、そういう人のいうことあまり
鵜呑みで信用しない方がいいよ

普段料理する人なら分かると思うのですが、一からすべて作る方が手間です。
ましてや青果で枝豆を買って、塩でもんで、茹でて、粗熱とってとかするくらいならお惣菜買った方がいいですし、冷凍の枝豆を買った方が手間なく食べられます。
大量に食べたい、とかではない限りは別にお惣菜を買うのは無駄ではありません。
ペット飲料なんかでは、二ℓのペット飲料はほぼ利益なかったりします。
調味料を扱うグループでもあるのですが、調味料はメーカーが値下げの販売をしないので、基本的に利益がほぼありません。なので各社こぞってPBを作る傾向にあります。
青果もスーパーでは入り口に面している店が多いため、価格を出して店内に入れる作戦をとるスーパーも多いです。
私が勤めているところも路面店なので、店の外に野菜や果物を出すことが多いのですが、その時に気を使うのは鮮度と同じくらい価格にインパクトのある商品を出しています。
荒利以外の利益とその違い
他の五つの利益について
現場で働く分には営業利益までは意識しておいてほしいところです。
経常利益になってくると、経営者(店長クラス)は知っておかないといけませんが、まずは営業利益をいかに黒にもっていくかが、現場でできるポイントととなります。
利益自体は以下の5つに分類できます。
- 売上総利益
- 営業利益
- 経常利益
- 税引前利益
- 純利益(最終的な利益)
売上総利益は、上記の計算でやった荒利益です。
純利益を残すにはいかに売上総利益を残せるかが、利益の最初の源泉です。
営業利益とは会社がメインとしているサービスや商品によって出した売上総利益から一般管理費や人件費などサービスや商品から利益を得るために使った経費を差し引いたものです。
この営業利益が大きければ、会社の経営状態は健全といえます。
経常利益は、本業以外の利益で稼ぎだしたもの、株とか不動産事業で稼いだ利益を含めた利益です。営業外収益というのですが、とうぜん、営業外費用もあるので、それを加味したものです。
ちなみにこれは企業が普段通りの活動をしたものですので、不動産の売却や自然災害の損失みたいなものは含まれません。
・税引前利益、支払う税金を差し引く前の利益です。特別利益や特別損失を含んだ利益です。
・純利益とは最終的に残った利益のことです。
荒利に注目すべき理由
上記の利益のうち、最も注目すべきは荒利益です。
荒利益は会社の基本の利益
店舗経営おいて販促費、水道、ガスといった光熱費といった経費は、荒利から支払われます。もちろんお給料である人件費もそうです。
逆にいえば、荒利>経費ならば利益が手元に残るということになります。
会社の価値や競争力の判断基準になる
特にネットでのショッピングが拡大されてきた昨今では現場でいかに付加価値をつけて販売できるか?それのバロメーターとなるのが荒利益高です。
荒利を上げる方法とは?
とにかく数を売る
スーパーみたいな薄利多売ではどちらにしても数を売らないといけませんが、一人のお客さんに一点でも多く買ってもらうというこができたとしたら、どうでしょう?
一日に3000人くるようなスーパーで、もし全員が一点多く買ったとします。
一点あたりの利益が10円だったとしても、30000円の利益が発生します。
それを30日くりかえせばそれだけで90万、100万近い利益が発生します。
その100万近い利益を一年間くりかえせば、1200万円の利益が発生します。
単価をあげる
こっちは割と強気な作戦ですが、単価をあげるという手法です。
商圏にもよりますが、商圏の購入平均単価より安く売る必要性はあまりありません。
もし、不必要に価格を下げて売っているのであれば、価格を上げてしっかり利益を確保するというのも大事な作戦の一つです。
また、付加価値を高めるといった手法もあります。スーパーであれば、
白ネギは長いので持って帰りにくい→半分にカットした物を売る
キャベツや大根は重たいし使い切れない→カットした物を売る
茄子が旬だけど、献立が思いつかない→麻婆茄子の素を関連販売で売る
といった具合にお客さんの負となる原因を解消すれば、付加価値は上がっていきます。
原価を下げる
バイヤーから言わせるとこれができたら苦労はしません。
が、実際にはこの原価を下げるのが一番荒利に直結する手法です。
もし1円でも下げることが可能なら一ヶ月で1万個売れるなら、それだけで1万円の利益増です。その商品が100点、200点とあれば、現場では特に大した労力もなく利益が上がっていきます。
ですが、実際には原価をさげるということは、他の誰かが被害を被るという事なので、そう簡単にはいきません。
まとめ
荒利益=売上ー原価
荒利益率(%)=(荒利益÷売上高)×100
荒利益は最初の土台の利益
荒利はお客さんの満足度のバロメーター
荒利を伸ばしたければ原価を下げる
荒利を伸ばしたければいっぱい売る
荒利を伸ばしたければ付加価値を付ける
イオンの筆記試験の数字対策で問題も作ったので解いてみてください。途中から有料ですが、ここが理解出来ればG2は楽勝、G3の数字対策も余裕が出てきます
