イオンリテールの同一賃金同一労働が話題なっていますが、もともとイオンの正社員の給料はどれくらいなのか?転職サイトをみてもいまいちピンとこないと思うので、今回は給料面や昇給制度についてざっくり書いてみようと思います。
ですが、私がイオンリテールを退社してから数年たちますので、今の状況とは違う可能性もありますので、その点に関してはご了承ください。
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イオンリテールの正社員の平均年収は?
イオンリテールは年齢で給料があがるのではなく、資格とISM区分で給料が変わります。
ISM区分
ISM区分とはどのエリアで働くかを選べることができる制度です。
NationalのN
RegionalのR
LocalのL
と三種類あります。
Nは毎月約6万円(年72万円)の手当があります。
本州は青森~山口(四国含む)すべてのエリアでの転勤が発生します。
Rは毎月約4万円(年56万円の支給)こちらはエリアが区切られます。
大きく分ければ 東北エリア、関東エリア、中部北陸エリア、西日本エリア
と分けられます。
Lは0円(年0円)ですが、Lになると、今度は地域手当というものが一部エリアで発生しますが、大阪でも2万円程度です。都道府県によってはこの手当がありません。
かわりに転居を伴う異動が発生しません。
ただ、このLを選んでしまうと、将来の出世の見込みはほぼありません。
イオンリテールの資格G1、G2、G3、G4,G5
イオンリテールは大卒で入社するとG1からスタートになります。
院卒はG2からスタートです。昇格していくとG3,G4,G5と上がっていきます。
年収ベースで計算するとG1とG2に大きな違いはありません。
年収にするとNでも300万円~350万円程度です。
上記で説明したL社員だとここから70万円くらい下がるので年収だと300万円を切ります。
G3では年収で400万円~440万円を少し超える程度
L社員だとここから70万円くらい下がるので年収だと300万円ちょっとぐらいです。
G4で年収500万円を超えるか超えないか程度です。
L社員だと430万円~450万円くらいになります。ボーナスで左右されるので、100万くらい下がると思っておいてください。
G5になると年収で570円~600万円になります。
L社員だと450~500万円くらいです。
こちらもボーナスに左右されるので、100万円くらい下がります。
資格があがったばかりでは役職給や評価給が低い状態ですので、上記で書いた年収に誤差が生じるのと、住んでいる地域によって地域手当が変わってくるので、こちらもブレが生じることになります。
G5からは課長職(管理職)扱いになるため、固定残業となり、酷いお店にあたると一日中仕事になります。
G5になったら早めに裏方のスタッフにならないとかなり厳しい環境になります。
裏方のスタッフは仕事をチームでするのではなく、個人で行うため、仕事を振られないように逃げ回れば残業なしで働くことが可能です。
資格をあげていくには筆記試験に合格し、そのうえで面接に合格しないといけません。
学校の勉強が苦手だったという人はイオンリテールという会社はお勧めしません。
どんなに売上や利益を残すことができても、この試験の制度のせいで一生を棒に振る人も多く見てきました。一方で、販売のセンスはまるでないのに、勉強が得意というだけでドンドン出世する人もいます。
試験の内容は?
筆記試験は商業経営で使う数字と、課題図書、イオンの行動規範から出題されます。
商業経営の数字は私のブログの内容をある程度読んでもらえればクリアできる内容となっていますが、課題図書とイオンの行動規範はすべて丸暗記しないといけない仕組みになっています。
どちらも厄介なのですが、イオン行動規範は時間をかけて丸暗記するしかありません。
入社したころは実際の現場の考えと行動規範の考えが異なりすぎて暗記に苦労しました。
課題図書は問題を出す人が本を基本的にあまり読み込んでいないので、どうでもいいところが問題に出てきます。
こちらも時間をかけて何度も読み込む必要があります。
イオンリテールの中途採用の年収は?
こちらは特に中途だからということは関係ありません。
今もらっているお給料がそのまま資格に当てはめられることが多いのですが、
一つ裏技的なものがありまして、
面接官「今の会社ではお給料をどれくらいもらっていますか?」
という質問に対して、
正直に答えるのではなく、少し多めに答えると、資格が高いところからスタートするという裏技的な答え方もあります。
ただ、後で明細や源泉徴収を求められると少し厄介ないので危険な橋を渡りたくない人はおすすめしません。
残業代について
残業はある?
残酷なことを言えばお給料は残業ありきな面もあります。
ただ、残業が発生するのは基本的に食品を扱う人達とHBCと言われる生活日用品を取り扱うグループぐらいです。
衣料、住余(HBCを除く)といった、イオンリテールの現在のお荷物グループの方は繁忙期以外は忙しくないですし、むしろ繁忙期でも忙しくないようなところなので、残業が発生せずに、食品の人たちと比べると給料は低い傾向にあります。
試験の勉強をするには時間もできていいのですが、年間もらえるお給料に結構差がでてきます。
どれくらい残業代をもらえる?
資格によって変わってくるのですが、G3~G4でいうなら4万~6万くらいです。
この4万~6万というの最大もらえるという意味です。
なぜこの金額?働いたら働いた分だけもらえるのでは?と思われがちですが、イオンリテールに鉄の掟である、三六協定の遵守というものがあります。
私も課長時代は45時間超えるなとよくいわれましたが、課長以下は30時間未満でのコントロールが必要です。
また、25時間を超えると名簿に名前が載って、本社(支社)から注意が入ります。
なので、30時間を越えそうなら、多くの社員はサービス残業を自ら進んで行うというまだまだブラックな面も残っている風土があります。
もちろん、私が働いていたのは数年前なので、今は違うかもしれませんし、お店の店長の方針によってこのサービス残業や残業の制度は大きく変わります。
話を戻して、この残業が仮に一年間続けるとそれだけで50万以上の差が開くので、食品以外の方は副業をするのをお勧めします。
最近はギグワークという働き方が流行っていますので、迷わず副業をはじめるのをお勧めします。
イオンリテールの正社員の転勤は多いのか?
イオンリテールといえば半年に一回、年二回転勤が発生します。
色々な事情があって転勤があるのですが、転勤について少し詳しく書いていこうと思います。
転勤の制度は?
上記でも書きました、N(National)、R(Regional)、L(Local)で変わってきます。
Nはイオンリテールすべてのカンパニーでの異動が発生します。
東北カンパニー、南関東、北関東、近畿、中国四国、中部カンパニーとすべてのエリアが対象になります。
ですが、実際のところ、カンパニーを超える異動というのはほとんど発生しません。
何故かというと、人事異動を決めるのは店長であったり、人事部であるためカンパニーを超える異動というのは調整が難しいためあまりありません。
あるとすれば、転居の制限を申請した社員や店長がどうしても追い出したいが、自分のカンパニー内に追い出し先がない場合などです。
Rはカンパニー内の異動がほぼすべてですが、南関東や北関東、西日本は近畿、中四国がはいるので、Rは特に意味のない制度ともいえます。
Lは今住んでいる自宅から二時間以内で通える範囲のお店での転勤となります。
なので、引っ越しを伴う異動は発生しませんが、その代わり給料が激減するという制度です。
ちなみに今回の同一賃金同一労働はこのパートとL社員を同じにしようというものです。
ただ、パートの人が異動が発生するのかどうかは現時点では定かではありませんが、おそらく今後はあるものと考えられます。
イオンリテールの転勤ストップ制度
イオンリテールでは6年間転居を伴う異動を制限するという制度が使えます。
この期間中は少しだけ給料が下がる代わりに、6年間はL社員同様に転居伴う異動が発生しないという特権があります。
ただ、6年間しか使えないため6年後は元のNやRに戻るかLになるかを選択しないといけません。
このことからわかるのがイオンリテールは転勤ができる社員しかいらないというのが見えてきます。
なので、家族との時間を大事にしたいという男性の社員はあまりお勧めしません。
イオンリテールは副業禁止
イオンリテールは副業が禁止です。
一部上場の大手企業で、多くの社員を抱えている企業が副業を禁止するというのは社会的にも道徳的にいかがなものかと思いますが、賃金をあげたところをみると、制度を見直す予定はないと考えられます。
一度私が、人事部と話をしたときに教えてくれたのは、表向きの理由は
「副業による長時間労働が心配」
とのことでした。サービス残業で有名な企業が何を言っているんだとも思いましたが、実際のところ、給料が安いG1やG2の人は副業の方を頑張りかねないため、ある程度は理にかなっています。
ただ、今私が勤めている企業もそうですが、本音は自分の会社に専念して欲しいというのが本音だと思います。雀の涙ほどの賃上げはそういう意味も含まれていると推測できます。
残業代でもお話ししましたが、イオンに限らずどの会社でもさっさと副業を始めてしまうのがお勧めです。
会社はあなたの生活や将来を守ってはくれないし約束はしてくれません。
自分のことは自分で守るということを忘れないでください。
イオンリテールでワークライフバランス取れるのは女性だけ
男性の育休の取得の公表が義務化されますが、個人的にはこれが楽しみで仕方ありません。
私が勤めていた時に育休の取得を促しているということは一切なく、制度はあるけど、取得の仕方を総務課長が教えないという酷い店も見てきました。
私が会社を辞めてから数年たちますが、こういった慣習はあまりかわらないので、酷い数字が予想されます。
サービス残業はある?
だいぶ減ったと聞きますが、存在はすると思います。
といいますのも一日三時間、月間三十時間以上の残業を禁止するという三六協定が存在するからです。
GMSのお荷物の衣料や住居の人達はともかく、食品で働くマネージャーやリーダーが残業なしで働くのはほぼ不可能です。だいたい、サービス残業をするのは食品の人たちです。
もしもこれを見ている総務関係の人たちがいるのであれば、
生鮮のマネージャーが残業が月間で10時間以内を切っているのであれば、サービス残業や家で仕事をしているのではないかと疑ってかかってください。
というか小売業にかかわらずサービス残業が発生するのは、副業を解禁していないからです。やることがないので仕事をしているというのもありますが、一つの仕事だけにしがみつくと視野も考えも狭くなります。もし、サービス残業をしている時間で別の仕事ができてお給金が発生するなみんなそっちを選びます。
日本の賃金も物価もあがらないのもある意味私は大手企業が副業をいつまでも解禁しないからだと考えています。
個人的には日本で起きている人手不足はイオンのような大人数を抱える企業が労働力を独占しているということが原因ではないかと思います。
正社員の働く環境
労働環境はお世辞にもいいとは言えません。
私がいたのが数年前ですが、当時の同期と話していてもここら辺はまだ変わっていないので、この話はあてにしてもらってもいいと思います。
単身赴任の認定は子供が中学生じゃないともらえない
イオンは転勤が多い企業です。
単身赴任をする人も多いのですが、子供が中学生になるまでは一緒に異動しなさいというのがイオンの考えです。子供が中学生~高校卒業までの間は単身赴任の認定が下りるのですが、それ以外はおりません。
なので、イオンで働く方はLになって給料を下げて働くか、家族と離れ離れになって単身赴任手当をもらうかどちらかになります。
ちなみに単身赴任手当をもらったところで、二重生活なので生活は別に楽にはなりません。
休みが自由にとれない
長期休暇というものがあるのですが、年間20日間設定されていますが、条件として5日連続で取るようにというのが条件になっています。
例えば、月の前半に子供の運動会にいって、後半に泊りがけの遊園地に行くという計画があるとします。そこに長期休暇をあてて2日と3日で分けようとしても認められません。
理由は5日間連続でとるのがルールとっていないからというお役所のようなルールが存在します。
休みは社員の権利のはずなのですが、個々の事情よりも、会社のルールを優先されるため、ライフワークバランスは男性の方は取るのは難しいと思います。
ですが、女性の休みや有休は比較的とりやすいので、女性にとっては天国のような労働環境ですが、男性にとっては地獄のような環境といえます。
教育制度がない
イオンは教育に力を入れていると転職サイトにはよく書かれていますが、実際のところを言えば、新入社員は実務で役にたたないオリエンテーションをこなした後に、現場に投げ出され、マネージャーのOJTを受けます。この段階で外れのマネージャーに当たったら人生おしまいとなります。
逆に言えばいい上司にあたれば、周りよりも一歩も二歩も抜きんでることができます。
また、入社後もよくわからない人事教育の教育を受けるのですが、これも現場で役にたったことはありませんでした。
G3になるとイオンビジネススクールというものを受けることができます。
誰でも受けられるわけではなく、人事と面接をして将来性のある人だけが受けることができます。
というのは建前で、年齢が若ければ比較的通りやすいというだけの話です。
40や50過ぎたおじさんは無理ですが、おばさんは割と面接にとってビジネススクールに通っていました。
このビジネススクールも特に現場では役に立ちませんので、上に行くための通過儀式みたいなものだと考えてもらっても差し支えないと思います。
昇進したければ勉強する以外に方法はない
給料をあげたければ学生の時同様に勉強をするしかありません。一つ資格があがれば、
50万~70万単位であがっていきます。
結構大きいですが、資格があがるにともなって責任も増えていきます。
とくにG3からはマネージャーをするため、G2からG3は仕事の責任がすごく重たくなります。
資格をあげたければ試験の課題図書を読むしかありません。
課題図書を本で買っている人は少し周りと比べて不利だとおもいますので、下の記事を読んでください。
まとめ
家族がおらずに仕事だけして生きていきたいという方にはイオンはお勧めです。
ですが、家族がいたり、家族と一緒に暮らしたいという方はお勧めしません。
地域社員(L社員)になったら給料もさがるので、その場合はさっさと副業をしてしまうのがいいかと思います。
就業規則が変わっていなければ、まだ兼業は禁止だと思いますので、最終的には自己責任になりますが、ほぼバレないのでさっさと始めるのをお勧めします。
会社はあなたの事もあなたの生活も守ってくれません。自分自身のことは自分で守るようにしてください
もしくはさっさと辞めて次に行くというのも手です。
独身の方であるならば、寮付の仕事で田舎でのんびり過ごすというのもありだと思います。
こちらは、辞めようかどうか考えている人はサイトの登録だけでも済ませておくのをお勧めします。選択しがある状態かない状態だとある状態の方がまともな判断ができますので、副業もそうですが、常に自分の周りに複数の選択を持つようにしておいてください。