今回はイオン昇格の筆記試験に合格した方限定の記事になりますが、
面接対策について私のやってきたことを書こうと思います。
この記事を読んでもらえれば大体の方向性はわかってもらえると思います。
Contents
筆記試験に合格したら
筆記試験に合格したら課長か店長のどちらかから、案内があると思いますので、面接の日程を確認して面接シートの作成に取り掛かりましょう。
まず確認することは持参する提出物はなにか?です
私の時は売場管理シートと月度の販売で取り組んだこと等でした。
最近だと課題解決シートなんかを準備するみたいですね。
これはその年に何を面接会場に持っていくか変わりますので、よく確認しましょう。
面接で発表する内容を決めよう
面接で発表する内容が課題解決なのか売り込んだ商品なのかはわかりませんが、
その年に取り組んだ内容を発表するので、特に自分がかかわった物を発表するのが一番です。
とはいえ、「そんなものないよ!」っていう方もいらっしゃると思います。
そういう時は、これからなんとか頑張って何かに取り組んでください!
面接シートの作り方
面接シートを実際に作り始めるとなると、何から書いたらいいのかよくわからないと思います。
書式も私の頃とはかわっているかもしれませんが、書く順番や大事なことは同じだと思いますので、順番に説明してきます。
タイトルを書こう
まずは取り組んだ事に対するタイトルを書きます。
例えば、
【トマトカテゴリーの売上昨対200%】とか【じゃがいもの売上昨対150%】
とかタイトルは風呂敷を広げてください。こじんまりした取り組みはあまり面接官の興味をそそりませんので。
取り組みタイトルに関してはアイテムは単品でもカテゴリでもOKなのですが、チェーンストアにおける売上の伸ばし方は単品量販による一点突破が基本です。
単品が伸びるとカテゴリーが伸び、カテゴリーの伸びが部門の伸びにつながり、グループの売上につながっていきます。
面接シートですので、実際に口頭で説明をするのですが、
「私が最も力をいれて取り組んだ事は、トマトカテゴリーの中でのミニトマトの売上昨対200%達成についてです」
といったような入りだしになります。
単品に絞った方がいい理由は、面接シートの内容が書きやすいという点もあります。
ですが、G3やG4の方はもう少し取り組み範囲を広げるようにしてください。
G3なら単品よりはカテゴリーぐらいに絞り、G4なら部門、またはグループのオペレーション等に話を持っていくなどが必要ですが、いずれにしても焦点を絞った取り組みにしないと色々な角度から突っ込まれるので対応しきれなくなります。
取り組みの話のタイトルなんかは、直属の上司に一度話をしてみたり、店長にも相談してみてもいいと思います。
何故それに取り組んだかを書こう
ここは結構重要です。
取り組んだには理由がありますので、例えばさっきの
【トマトの売上昨対200%】であるならば
【近くの競争店と比較したときに優位性があったため※ディステネーションカテゴリにしようとおもったため】
【じゃがいもの売上昨対150%】であるならば
【今年はジャガイモが豊作で、お客さんに美味しい、じゃがいもの提案をしようと思ったため】
とかです。
この際に数字で昨対200%とか150%とかの数字的根拠も言えるようにしておきましょう。
これも例えば、
【大型店の売上のA店のトマトのカテゴリーの数字が○○千円なので、それを目標にしました】
とか
【じゃがいもが豊作だった年が○○年前だったので、その時の売上を超えるべく150%で設定しました】
とかでOKですが、
可能な限り会社の方針に従うのがいいでしょう。
もし会社(事業部長、支社長)が買い上げ点数アップというなら、それに沿った形で、客単価アップというなら、そちらに沿った形で・・・
実際にそうじゃなくても、そういう事にして話を作っていくというのが大事になります。
取り組み内容を書こう
ここもまずはとにかく書いてみるという事からはじめてみてください。
書いていくとかなりの量になっていくと思います。
実際に真剣に取り組んだ人なら、こんなシート一枚に収まらないと思うぐらい書けると思います。
ここでの注意事項は大きく3つ
①箇条書きで書く
②ポイントを絞って書く(無駄なことは書かない)
➂面接官の質問を誘導する
という点です。
これは、すべて箇条書きで書くのではなく、見出しに対してそれについて箇条書きで書くといった感じになります。
どういうことかというと、トマトカテゴリーの売上昨対150%という取り組みなら、
①サブカテゴリーのミニトマトの売上昨対を300%にする
・ミニトマトのサブカテゴリーを重点的に強化し、300%を目標にする
・点数構成として売筋のTVミニトマトを売上構成として全体の50%まで押し上げるため、バイヤーに協力してもらい産地に赴き現地の状況を調査した。
・取り組み月度には試食販売を強化した。
②機能性のトマトのサブカテゴリーの売上昨対を200%にする
・自店の客層から機能性のトマトの需要は高いと考え、売場のレイアウトを変更し露出を広げた。
・機能性の食品のPOPからさらにもう一歩踏み込んだPOPの作成を行った。
・機能性のトマトも美味しいというアピールをするために、見本の料理を作ったりすべてのトマトの糖度を測りPOPで表記した
といった感じです。取り組みのお題を分解して書くような感じです。
ちなみにこの箇条書きで書いた内容ですが、店長への質問を誘導しています。
例えば、
ミニトマトのサブカテゴリーを重点的に強化し、300%を目標にする
という点ならほぼ必ず
①面接官「どうしてミニトマトを伸ばすことにしたの?ミディでもよかったんじゃないか?」
と訊かれます。ここも簡単に答えるなら。
①おっしゃる通りで、ミディトマトでもよかったのですが、ご存じの通りミディトマトはミニトマトと比べて料理の用途が限定されます。例えばお弁当に入れるにはミディでは大きすぎます。普段使い慣れていない人が食卓で使うには大玉のトマトの様に使うと少し貧相になりがちです。昨対110%ぐらいであれば、売場を変えれば達成できたと思いますが、200%となると料理用途が広いミニトマトを伸ばす方が課題にあっていると思い選定しました。
②「数字が200%にした理由はなに?」
これに関してはもう適当です。どうせ面接官は数字的根拠の正否は持っていないので、つじつまが合っているかどうか、適当に設定しないかをみています。こういう時は言い切ってください。
②ミニトマトを300%にした理由はトマトカテゴリーの中で一番ウェイトを占めているのがミニトマトだったという点と、ミニトマトを売り込めばトマトカテゴリーが昨年比90%、ミディトマトが昨年比90%まで落ちても目標を達成できると計算したからです。
それは機能性が200%伸びるという話が前提ではあります。
こちらも同じです。話のつじつまがあうようなら特に問題ありません。
ですが、この場合は昨年の売上額をしっかり把握していることが大事です。
点数構成として売筋のTVミニトマトを売上構成としてミニトマトカテゴリーの全体の
50%まで押し上げるため、バイヤーに協力してもらい産地に赴き現地の状況を調査した。
という点なら
①「現地に行く必要あったの?」
と訊かれたら
①現地に行く理由は育てている環境、農家さんの思い、市場へ、センターへという普段知らない事を知ることで何か販売に役立てる情報があると思ったからです。
実際に、お勧めの食べ方や収穫してから何日で店頭に並ぶか、センターではどのように保管されているかなど、私の知ったこのTVのミニトマトのストーリーをコミュニティさんを通じてお客さんに試食の場で伝えることができました。
ここでのポイントは現地に行った事ではなく、TV(トップバリュ)を選んだことです。
現地に足を運んだことをほめて欲しいところですが、実際に売り場担当やマネージャーレベルが現地にいっても、得られる情報なんてゴミ程度しかないので、意味はありません。
ですが、トップバリュの商品は他社にない商品。これを売り込むことが今後のイオンの生き残りをかけた取り組になるので、それを知ろうとしたという事は決して悪い事ではありません。また、コミュニティ社員を使って成果を出すというのは、誰かを巻き込んで成果を出すという一番必要な能力を持っているというアピールにもなります。
訊かれていることは、現地に行く必要があったかどうかですが訊かれていますが、TVの商品とコミュニティ社員を使って成果を出したという事を上手い事話しを逸らしてアピールしていくという事が必要になります。
②面接官「50%まで押し上げる理由は?」
②もともと、TVは全体の構成の30%と高い数字を持っていましたので、さらに伸ばしていくことで、今後競争店との差別化につながると思いまして、今回強化して販売しました。
こちらも元々売れていた商品を伸ばすという基本中の基本を押さえていることと、TVというイオンにしかない商品で競争店との差別化という点も私はわかっていますというアピールができます。
➂面接官「機能性の食品のPOPからさらにもう一歩踏み込んだPOPの作成ってどういうPOPなの?」
➂機能性トマトのPOPはカゴメさんのようなメーカーが作成した栄養側面を重視したPOPですが、それは他の商品にない特徴ではあるのですが、美味しく食べるという側面のPOPではありません。例えばラウンドレッドトマトであれば、焼きにも充分耐えられる品種のトマトですので、それを強調し、焼きトマトサラダをPOPとして提案しました。
ここで、繰り返しですが、大事なことは
面接シートは質問を誘導するためのツールになりますので、詳細に書きすぎないという事がとても大事になります。
また、基本的に面接は3~5人の集団面接になると思うので、一人一人を深堀している時間はありません。端的に質問できるように誘導してあげるといいでしょう。
結果を書こう
目標比の50%とか著しく数字がわるくなければ、絶対に目標を達成しないといけないという事ではありません。
実際に私もG4試験の時は売上なんて予算の達成率が85%という顔が真っ青な状態で挑みましたが合格できました。
ですが、ここで大事なのは何が足りなかったかを書くという事とそれを面接で言えることが大事だと言うことです。
面接シートに絞って言うなら、
〖トマトの相場が安くなって設定していた販売点数の倍以上売らないと達成できなかった〗〖店が出てきたことで、販売点数は90%、売上も90%、食品フロアの客数も昨年比で80%まで落ちた〗
等の原因が掴めているかが大事になります。
商売は水物です。上手くいかない時があるのは面接官の方がよく経験しています。
だからこそ、求められているのは、プロセスを重んじているか、水平展開できる再現性を重視しているかになります。
失敗というデータをきちんと取っているかどうか、次回同じことが発生した時に対策が取れるかどうかです。
「なんかうまく行きましたわー」
っていうラッキーパンチャーよりも、誰でも行える再現性を持った人を求められます。
失敗したら次回こうすればいいという算段を持っているかどうかです。
自分の中ではいくつも持っておいてください。
ちなみに、目標達成しましたという人も、さらに伸ばすにはどうすればいいか?
ほかのカテゴリーやアイテムで伸ばすにはどうすればいいかということも、論理的に考えてているかどうか、再現性があるか?
ということが大事です。
繰り返しますが、大事なのは、プロセス重んじてるかと再現性です。
将来どうなりたいかを発表しよう
私の時は、将来の目標(ステップアップ)を訊かせてくれと言われます。
なりたい目標があるなら、それに対して答えればいいのですが、もしないならとりあえずでいいので、3年以内に課長になって10年以内に店長になりたいですと言っておけばOKです。
理由は大体面接官の多くは店長ですし印象は悪くならないと思います。
ここでは中期的な目標と長期的な目標を立てているかという事がみられていますので、
しっかりその目標が経っている人はその通りに答えてもらっていいのですが、あまりのんびりした目標にならないように答える必要があります。
これを読んでいる人は、意識が高い人が多いと思うので、薄々気が付いているとは思いますが、中期的な目標に意味なんてありません。自身のライフプランやキャリアプランというのは目の前の事を一生懸命やった人だけが次のプランを積み重ねることができます。
とはいえ、会社が中期的な目標と言っているので、それはそれなので、中期的な目標を立ててあげてください。
面接のシートは課長クラスに添削してもらおう
面接の練習もそうですが、面接シートも上司にみせて早めに直してもらいましょう。正確にはあなたより上の資格の人に直してもらいましょう。
組織なので、上司に見てもらうのが一番いいのですが、あなたの周りにできる先輩がいるならまずその先輩にみてもらうのがいいでしょう。
その後に上司でもいいかもしれません。
そして、もっとも重要なのは課長クラスに面接シートの添削をしてもらうことです。
何故なら課長クラスのG5(昔でいうならM2)の人たちは幕張に行って面接を潜り抜けた人達です。
G5クラスからは二次面接まであるので、特にシートの構成の仕方は上手ですし、面接の対策も練習してきた人達が多いです。
実際に私もG5試験に関しては対策は結構しっかり行いました。
面接の練習は色々な人にしてもらおう
面接の流れは取り組み内容の発表からの質疑応答です。
なので、基本的に面接シートの内容以外の事は基本的に、深く訊かれないというのが暗黙の了解となっています。
面接は可能な限り色々な人にしてもらいましょう。
上司はもちろん、同僚、課長、他の課の課長と色々な人に付き合ってもらってください。
そして、最も重要なのは店長に面接の練習をしてもらうことです。
面接官で来るのは他の店の店長というパターンが多いため、自店の店長に面接の練習をしてもらわないという手はないです。
店長に店長間でホットな話題を聞きに行こう
他店の店長が面接官をすることが多いのですが、店長達はどういう気持ちで面接しているかご存じでしょうか?
面接官である店長達は、聞かされた取り組み内容をそれぞれの店に持ち帰って、同じような展開をできないかと考えています。
実は店長達にとっても、他の店の担当者やマネージャーと話す機会ってあまりないので、この機会に色々情報を仕入れようとすることが多いのです。
実際に、私が農産の担当でG3の面接の前々日ぐらいに、カンパニー内の農産の鮮度不良が少し問題になり、鮮度チェックを強化しなさいという指示が支社長から事業部長に、事業部長から店長に伝わりました。当然農産マネージャーにもバイヤー経由で先に情報は伝わっていたのですが、店長経由で伝わっている情報と、バイヤー経由で伝わってきた情報に結構な温度差があったのです。
バイヤー経由で聞いた私たちは「ハイハイ、いつもの鮮度チェックすればいいんですね」
ぐらいに思っていましたが、実際には「鮮度不良のお申し出(クレーム)のワースト店舗は店長会議で吊るす」と言わんばかりの熱量だったそうです。
となると店長達はつるし上げられたくないので、どうする?他店どうしてる?みたいな感じになり、情報が欲しくなります。
店長同士が全員仲がいいわけでもないので、電話で聞くのもなーってなりますし、他にもやる事多いのが店長なので、そればかりに構っているわけにもいきません。
なので、面接の時期になると
「せや、他店のマネージャーや担当に訊いたろ!」
となるわけです。そこで、ホットな話題にこたえられることができれば好印象を与えることができます。
同じ情報でも、伝達経路が違うと熱量に差があったりしますし、店長達にしか言われていない情報等がありますので、必ず一週間前には店長に
「いま店長達のなかでホットな話題ってなんですか?」
と聞きに行きましょう。
そして、前日か前々日にも
「ホットな話題って何か追加されました?」
と訊きに行けば、もしかしたらドンピシャで質問くるかもしれませんので、訊かない手はありません。
自店の数字と自部門の数字は把握しておこう
これは今更ではありますが、面接シートに書いた数字はもちろん、
自部門の数字としては、
各月の売上予算、売上予算比、荒利率、荒利額、売変率、ロス率、人時生産性
ここら辺はマストで抑えておきたいところです。
それプラスあなたが食品なら食品全体の、衣料なら衣料全体の数字です。
これは売上と荒利率、売変率ぐらいでOKです。
面接官の机の上には電卓が置かれていますので、率ベースで分かっていれば、後は向こうが勝手に計算してくれることがほとんどです。
普段から数字を意識していれば問題ないのですが、普段見ていない人はこれを機に見る癖付けをしましょう。数字を意識して仕事するのとしないのでは、全然楽しさが違います。
特定の数字を上げるんだという強い思いを持ってやって仕事をしているといつの間にか夢中になっていきます。
とにもかくにもまずは筆記試験に合格しよう
イオンで給料を上げていくなら昇格試験に合格するしかありません。
筆記試験はこちらの記事をみながら対策をすすめていくとして
筆記試験は日々の積み重ねが最短の習得方法です。
数字は算数なので、何回か解いていればG5までの試験に関しては問題ないと思いますが、
課題図書とは相性がありますので、私の記事でも書いていますように、kindleで持ち歩いて隙間時間に読むという癖付けが必要です。
働き始めるとまとまった時間はなかなか取れませんので、いつでも読めるスマホやタブレットを使って隙間時間に読むしかありません。
今後のイオンについて
イオンは同一賃金同一労働を推し進めています。
表向きの理由は労働力の確保。裏では人件費のさらなる圧縮。
ですので、今後は筆記はもちろん面接のレベルも上がっていくと思われます。
これまでは意味のない筆記試験や意味のない課題図書。
必要かどうかわからない面接。
今後は昇格していくのは年を増すごとに厳しくなると思われます。
だからこそ、今現役で頑張っているみなさんは一年でも早く資格を上げるようにしてください。
必ずできるとはいいませんが、もし、私でよければ添削もしますので、お問い合わせから連絡をいただければささやかなアドバイス程度ならさせていただきますので、ご連絡ください。